スタイリスト・四方章敬 監修の最新作――冬にきく”オフ白コーデュロイ”
BRITISH MADE
Fashion
これまでにウールやコットンツイル素材をのせて発売し、いずれも好評をいただいたブリティッシュメイド オリジナルのトラウザーズ「ポーツマス」に、新素材のコーデュロイが登場。
今回もスタイリスト四方章敬さんにディレクションを担当いただきました。
「モダンブリティッシュをテーマに掲げていますので、英国の定番であるコーデュロイパンツは是非ともラインナップに加えたいアイテムでした」と四方さん。
オリーブやブラウン系などコーデュロイパンツに一般的な色ではなく、あえてオフホワイトをチョイスしているのがポイントですが、これは単に目新しさだけを狙ったものではありません。
四方さんによれば「オフ白コーデュロイパンツというと珍しく見えるかもしれませんが、実は冬の装いを築くうえで非常に使い勝手のいいアイテムなんです」とのこと。
その理由を、スタイリング実例とともに解説いたします。
スタイリストの理想を詰め込んだ万能シルエット
BRITISH MADE - オフィサーパンツ「ポーツマス」 (コーデュロイ)¥27,500(税込)
「ポーツマス」のインスピレーション源となったのは、1960年代に英国海軍が採用していたオフィサーパンツ。
2インプリーツやサイドアジャスターつきのベルトレス仕様など英国ドレスパンツの象徴的ディテールを備えつつ、独特のシルエット美を備えていたところが四方さんの目に留まりました。
「巷のショップに並んでいる英国調トラウザーズは、総じてイタリアの影響を強く受けた細身系か、逆にカジュアル感が強いワイドストレートばかり。そのどちらでもないバランスを模索してリサーチをしていたときに出会ったのが、60年代のオフィサーパンツでした。
ミリタリーパンツらしくゆとりのあるシルエットながら、裾にかけてわずかにテーパードしていて、それがとても新鮮に感じたんです。
ただ、そのままではさすがに古めかしい印象でしたので、当時の雰囲気を残しつつも今のスタイルで活用しやすいよう全体的にモディファイを行い『ポーツマス』を完成させました。
細すぎず太すぎず、カジュアルすぎず堅苦しくない、ありそうでなかったトラウザーズを作ることができたと思っています」と、四方さんは振り返ります。
テーラードウェアに造詣の深い四方さんらしく、仕立てのクオリティにもこだわりました。
「ヴィンテージのオフィサーパンツは簡素な作りのものが多いですが、『ポーツマス』は大人の良質なワードローブとして企画したもの。ですので、仕立てのよさは外せないポイントでした。
生産を依頼したのは、日本有数の実力派と名高いドレスパンツファクトリー。細かな部分まで手間ひまをかけた本格仕立てが特徴です。
腰周りを包み込むようにフィットするため、はき心地がいいことはもちろん、見た目にも上質感を感じていただけますよ」
本作では、素材の表情に合わせてフロントの持ち出し部分をやや短めに設定。細部もさりげなくアップデートを施しました。
カントリーに傾きすぎない、モダンなコーデュロイ
今回登場した「ポーツマス」は、シリーズ初となるコーデュロイ素材。
英国においては定番素材のひとつですが、やさしげなオフホワイトをチョイスしているのがポイントです。
「なぜオフ白?と疑問の声が聞こえてきそうですが、僕なりの狙いがあってセレクトした色味です。
スタイリストとして様々なコーデュロイパンツに触れていますが、実は定番的なブラウンやオリーブって、意外と着こなしが難しいんです。トータルでうまくバランスをとらないと、カントリー感が強くなりすぎてしまいがちなんですよね。
その点、このようなオフ白はシンプルに合わせるだけで現代的な印象にまとまり、コーディネートが簡単に決まる。これが本作一番の魅力だと思っています」
「ちなみに、コーデュロイは”畝の太さ”によっても大きく表情が変わりますが、僕が選んだのは”中太”の8ウェール。
程よく存在感があり、それでいてラギッドに見えないバランスを狙いました。ジャケットを合わせてキレイめに着ても、スウェットなどでカジュアルに着てもサマになる、使いやすい表情ですね」 (四方さん)
冬のアクセントとして最適な使い勝手
四方さんがオフホワイトのコーデュロイをチョイスした理由には、冬の装いにおける“落とし穴”を回避する狙いもありました。
「ダークトーンが多くなり、洋服のボリューム感も増える冬の服装は、ややもすると重苦しい印象に傾きがち。
そこでお洒落上級者は、冬にあえてホワイトデニムなどを合わせたりするわけですが、寒々しく見えないよう計算する必要があるため、当然コーディネートの難度は高くなります。
そんなジレンマを、オフ白コーデュロイなら解決できるのでは……そう考えたことも本作を企画するきっかけになりました。
コーデュロイという秋冬らしい温かみを備えた素材でありながら、オフ白のトーンによって軽快さも演出できる。そんな塩梅が、大人の余裕や上品さを醸し出すのにぴったりだと思っています」 (四方さん)
四方さんが実践! コーデュロイ「ポーツマス」の着こなし実例
注目のトーン・オン・トーンで冬の優雅さを満喫
トラウザーズ BRITISH MADE - オフィサーパンツ「ポーツマス」 (コーデュロイ)¥27,500(税込)
コート BRITISH MADE ー タイロッケンコート「ヨークシャー」¥89,100(税込)
フリース BRITISH MADE ー ウールフリース「アバディーン」¥38,500のところ¥19,250(税込)
シューズ JOSEPH CHEANEY - 「FORESTER Ⅱ R」¥82,500(税込)
モデル身長:178cm 着用サイズ:M
「この冬は、淡い色のトーン・オン・トーンでまとめたスタイリングが気になっています。そんな気分を反映した合わせですね。
ポイントとしては、素材感でメリハリを表現すること。ここでは軽やかなコットンのコート、もこもことしたウールのフリース、そしてコーデュロイのパンツという具合に、異なる表情の素材を重ねています。
足元はスエード靴で柔らかい雰囲気にまとめました」 (四方さん)
骨太なオイルドジャケットをパンツで軽快に
トラウザーズ BRITISH MADE - オフィサーパンツ「ポーツマス」 (コーデュロイ)¥27,500(税込)
ジャケット Barbour ー ビデイル ¥53,900(税込)
スカーフ Johnstons of Eligin ー HAA3131 リバーシブルチューブラースカーフ(カシミヤ)¥27,500(税込)
シューズ JOSEPH CHEANEY - ケンゴン Ⅱ R ¥88,000(税込)
モデル身長:178cm 着用サイズ:M
「英国スタイルの大定番・オイルドコートとコーディネート。
コーデュロイパンツとはカントリーテイスト繋がりで非常に相性がよいのですが、これがブラウンやベージュ系だとかなりトラッド感が強くなってしまうと思います。
その点、オフ白『ポーツマス』ならモダンな印象になるためスタイリングが決まりやすいですね。首元にはカシミアのニットマフラーをプラスして、大人の上質感も意識しました」 (四方さん)
定番の紺ブレザーに合わせても新鮮な印象に
トラウザーズ BRITISH MADE - オフィサーパンツ「ポーツマス」 (コーデュロイ)¥27,500(税込)
ジャケット BRITISH MADE ー シングルブレザー「テムズ」¥69,300(税込)
シューズ JOSEPH CHEANEY - コインローファー「HUDSON」¥82,500(税込)
モデル身長:178cm 着用サイズ:M
「ネイビーブレザー×ホワイトパンツというお決まりのコーディネートを、オフ白コーデュロイの『ポーツマス』でアップデートしました。
真っ白ではなく”オフ白”であるところもポイントで、英国らしい落ち着いた雰囲気になりますね。
インナーには淡色のブルースウェットを合わせていますが、こういった差し色使いも今どきにまとめるポイントです」 (四方さん)
スタイリストとして膨大な洋服に触れる日々のなかで、「こんなアイテムがあれば、もっとコーディネートが決まるのに……」と思うことがしばしばあるという四方さん。
ブリティッシュメイド オリジナルコレクションでは、そんな思いが企画の出発点になっています。
今回のオフ白「ポーツマス」も、冬スタイルの”あったらいいな”を具現化した一本となりましった。
「英国らしさを満喫でき、今どき感を簡単に演出できて、冬の装いをもっと洒脱に見せられて……そんな具合に”今、欲しい”ポイントを積み重ねて考案したのが、オフ白コーデュロイの『ポーツマス』
結果、新鮮さと汎用性をあわせ持った力作に仕上がったと思っています。それから、白パンに苦手意識を持っている方にもおすすめしたいですね。
実は僕自身もその一人なのですが、トーンのついたオフ白、表情豊かなコーデュロイの素材感が相まって、白パンに慣れない方でもすんなりトライしていただけるはず。
冬本番の今こそ、大いに活躍してくれるはずです」 (四方さん)
Styling by Akihiro Shikata / 四方章敬
Text by Hiromitsu Kosone / 小曽根広光
銀座店 Instagramアカウント:@britishmade_ginza